2005/06/17村長から 

ブランドコンセプトは何ですか?

「あなたのブランドのコンセプトは何ですか」と、デザインをしている人なら
一度は質問されたことがあると思いますが、皆さんは自分のブランドについて
しっかり答えることができていますか?

私は、コンセプトとは、使う人や、共感してくれる人を惹きつける、ブランド
の「魅力」や「信念」だと思います。(ブランドコンセプトについては語りだ
すときりが無いくらい奥深いですが)

例えば、あなたは以下の2つのコンセプトどちらに共感しますか?

 A)「このブランドは、オーガニックコットンを使うことがコンセプトです」
 B)「このブランドは、身体にやさしい安心な素材をゆっくり味わっていただ

くことがコンセプトです」

A)とB)の違いは何でしょうか。A)は素材のことだけに焦点があたってい
ます。「人」ではなく「モノ」を主役として考えているのです。使う人の好み
や生活を考えなくてもデザインできてしまいます。

誰に使って欲しい、どのように使って欲しいなどのデザイナーから使い手への
メッセージがありません。

Bからはそれを使う人の姿がイメージできます。どのような生活をしているか、
どのようなファッションが好きか、というライフスタイルもわかります。作り
手から使う人へのメッセージも感じられます。

これは「使う人」という主役に向けて、商品を通じてデザイナーの想いやブラ
ンドコンセプトを伝えてようとしているからなのです。

誰に共感してほしいか、どのような人がターゲットかを決めることで、その人
へのメッセージの伝わりやすくなります。

ファッションや雑貨類は、そのブランドが提案するライフスタイルが共感され
たり、支持されることでファンがついてきます。ファンがつくことで、売上げ
が安定してビジネスになるのです。


このブランドコンセプトですが、どうして必要か、ということを説明する前に、
あなたのブランドはどちらをお客様にしたいか考えてみてください。

A)安い商品だけを探して購入するタイプ
B)シーズンの最初に一押し商品を購入してくれるタイプ

おそらくほとんどの人がB)を選ぶと思います。なぜなら、そのブランドが好
きで、その価値を理解して購入してくれる「ファン」だからです。このファン
はブランドを育て、応援してくれる人の集まりです。このファンを惹きつける
ブランドの「魅力」や「信念」等がコンセプトになるのです。

A)のタイプの人は、ブランドではなく単品で選んでいます。ブランドに共感
しているわけではありません。コンセプトなんて関係無いのです。ですから同
じようなデザインならが、少しでも安いものがあれば、そちらに移ってしまい
ます。ブランドの価値を理解しないので、何にでも値段が高い、と文句をつけ
がちです。

コンセプトが無くてブランドを構築するというのは、この安売り好きの文句が
多いタイプを対象に商売をしているようなものです。

現在人気のブランドをいくつか思い描いて欲しいのですが、おそらくどのブラ
ンドも「どんなタイプの人が使うか」とか「そのブランドらしいデザイン」と
いう特長がハッキリしているのではないでしょうか?さらにデザイナーがどの
ようなメッセージを提案しようとしているか、が伝わってくる場合も多いと思
います。

新進ブランドの場合、このコンセプトというか、メッセージ性が強いほうが、
まず核となるお客様を集めやすいようです。小さいブランドでも、一流ブラン
ドのようにコンセプトを決めていくことは重要です。そのコンセプトが継続す
ることで、ブランドが作られてくるのです。

コンセプトがはっきり決まっているブランドは、販促ツールや広告、ディスプ
レイ、店舗演出、デザイナー自身のメッセージなど、ブランド全体に一貫性が
あります。魅力作りをどんどん掘り下げていくことが可能です

逆に、ブランドコンセプトが無い場合はどうでしょう。
商品の一つ一つにはこだわるのだけれど、商品全体が集まったときに「このブ
ランドは何を表現したいの?」「誰が使うの?」と、バラバラな印象を受ける
場合があります。販促ツールなどもしっかり考えていないことが多いようです。

これはおそらく、使う人やライフスタイルを考えずに、形の面白さだけとか、
思いつきのアイデアだけでデザインしているからだと思います。使う人をイメ
ージしないので独りよがりなデザインになってしまうのです。いきあたりばっ
たりで考えるのでブランドの一貫性が構成されてこないのです。

中には「コンセプトが無い」という人気ブランドもありますが、言葉として明
文化していないだけで、デザインに「そのブランドらしさ」や「デザイナーの
個性」というものが現れているのです。

商品を通じて、どのような人が使うのか、どのようなライフスタイルを提案し
ているかが、伝わっているのではないでしょうか?

これは説明して伝えるよりも、さらに高度で難しいものです。