デザビレについて
いよいよ第2期募集要項を発表しましたので、デザビレ等の創業支援施設について少し説明しておきます。
その前に、日本と海外の学校でファッションデザインを学んだ人に話を聞くと、「海外の学校では日本のようにカリキュラムに従って教えてくれるわけではない。自分で課題を決めて、試行錯誤して、わからないことを絞って先生に聞かないと何も教えてくれない」と言います。あれをやれ、これをやれと言うわけでもなく、成績を伸ばすのも、落第するのも本人次第と考えているようです。
とにかく海外に行けば、他より優れた技術や能力が身につくだろうと思って、期待に胸を膨らませて行っても、言葉の壁もあり、目標も見つけられないまま、無為に時間ばかりたって、途中でドロップアウトしてしまう日本人も多いといいます。手取り足取り教えてもらわないと勉強ができないという人達にとって海外の学校は期待外れなものになります。
デザイナーズビレッジのような創業支援施設というものも、実はそんなものなのです。
本人が「創業したい、ビジネスを大きくしたい、成果を生み出したい」という目標達成のために少しでも役立つように活用するところなのです。どこの施設でも懇切丁寧に面倒を見てくれるわけではないので、受身であったり、成長目標を持たない人にとっては家賃が安いぐらいしか意味がありません。
ですから、デザビレに入居することで、自分がこれから会社やブランドを大きくする上で、他に事務所を構えるより有利だとと思えばぜひ応募してください。
もちろん、業種によってはデザビレ以外の創業支援施設のほうが向いている場合があります。
例えばデザビレに入居することで、低家賃の事務所や共用設備を使えることで固定費が下がり、資金を効率的に事業に投資することができます。
またビジネスにおいては協力者やネットワークが不可欠ですが、これも入居者同士の交流や、台東区の地元産業界との付き合い等が期待できます。
さらに公的な創業支援施設に審査を経て入居しているということで、自宅でフリーで仕事をしている人に比べ、信用力を強化することもできます。
デザビレにいる事で、マスコミからの取材や、外部からのビジネスの打診もあり、他に比べて多くのチャンスを得ることもできます。
また毎日一人で自宅で仕事をしていると、時には目標を見失い、仕事に対するやる気を失ってしまうことがあります。どうして自分は、このデザインをしているのか、制作をしているのか、疑問に感じてしまいます。
これがデザビレに入居すると、周りにはやる気を持ったクリエーター、デザイナーが集まっていますから、自然とビジネスに対するモチベーションを高めることになります。
事業の問題やトラブルなど、一人で悩むだけではなく、私や他の入居者に相談を持ちかけることもできます。他人に相談してみたり、協力を求めることで、自分の考えをもう一度見直すことができたり、解決の糸口を見つけることも少なくありません。
さて、台東デザイナーズビレッジのメリットは大きく分けて
1)ハード:・格安なオフィスによる事業資金の流動化
・制作室、図書室、ショールームなどの共用スペースの活用
2)ソフト:・事業についてのアドバイス←私はここ
・台東区による経営・税務などの相談事業
・各種助成の活用
3)チャンス・入居による信用強化
・マスコミ等への掲載・知名度アップ
・ネットワークの構築(各種産業団体など)
が挙げられます。
これらはたった一人で活動するデザイナーに比べると圧倒的に有利なものです。
しかし、これらの有利さを感じるか、役立てられるか、は入居する人の意識次第だと思います。
現在の入居者の中にも、デザビレは全く役に立たないという者もいれば、大いにチャンスを活かしている者もいます。
デザビレにいることが恥ずかしいというものもいれば、デザビレを好きで誇りに感じているものもいます。
念のため第2期に応募する方たちに言っておきます。デザビレに入れば何とかなる、何かしてもらえる、ということはありません。期待しないで下さい。
しかしながら自分のビジネスを大きくしたい、という人にとっては、有利だし活用しがいのある場所だと思います。
逆に台東区の立場から入居者に期待するものは・・・
1億9千万円の改装費で作られたデザビレでは19組しか入居できないのですから(10年間稼動するとして)1組あたり年間100万円の税金が投資されているともいえます。ちょうど家賃が安い分を補助しているようなものです。
なぜ、税金を投入しても創業者を支援をするのかといえば、それぞれのデザイナーやクリエーターが、優秀な経営者や企業として成長し、地域に輩出されることで、地域に活力が生まれることを期待しているからです。
だから教育ではなく産業振興部門が所管しているのです。
成長してくれて、ファッション業界で活躍してくれることが、何よりの地域産業への貢献になるのだと考えています。