創業支援施設とは
さて、オープンして1年近く経つデザイナーズビレッジですが、私自身あまり詳しく説明してこなかったこともあり、「創業支援施設」ということがきちんと理解されていないようです。反省・・・。
創業支援施設と名乗っていますが、ほんとうはハードよりもソフト的なサポートが重要なのです。
創業支援というのは、自分でビジネスを始めたいという段階から、ある程度の安定した売上げによって自立するまでをサポートすることです。
施設の性格は、対象企業のステージにより、大きく3段階に分けられます。
1)プレ・インキュベーション
これから何か新しい仕事を始めるために事業計画を作る段階からテストマーケティングを行ったり、事業の見込みを立てる段階です。
この段階では、事業計画立案のサポートが重要になります。「本当にその内容でビジネスになるのか?」について入居者と一緒に検討します。
2)メイン・インキュベーション
事業開始のための準備から、事業をスタートさせ、売上げが伸びていく段階です。生産体制を整え、販促ツールを作り、展示会等に出展して新規客を見つけ、取引条件を決めていくなど、この段階はほんとうにやるべきことが多い時期です。
「資金」も「ノウハウ」も「ネットワーク」も足りないので、これらをサポートすることがメイン・インキュベーション施設の役割です。全国の大半の施設がこのメインインキュベーションです。
3)ポスト・インキュベーション
全国でも数は少ないのですが、メインインキュベーションの卒業生が入居する施設です。ある程度取引先があり売上げも伸びてきているが、バイオやITなど研究のために更なる期間や投資が必要な場合に入居します。最終的には株式公開を目指す場合も多いのが特徴です。
さて、創業支援施設の役割ですが、会社作りをサポートするというより、「ビジネスの成長を加速させる」と言ったほうがよいかと思います。
例えば、自分一人でがんばっていたら、売上げを5割アップさせるのに2年かかるところを、施設に入ることでそれを1年で達成させるようにするのです。
もちろん、成長させるのは創業者本人なのですが、その創業者が自分の目標と現状とを比べ、目標を達成するために必要なサポートを求めてきたときに、応えていくのが、インキュベーション施設の仕事です。
ソフト支援としては、インキュベーションマネージャーや、施設のネットワークによる専門家のアドバイスやサポートがあります。(ちなみに私はマーケティングとユニバーサルデザインの専門家として活動してきました)
ハード支援としては、低家賃のオフィスや共用施設により、保証金等の初期投資を抑え、その分を開発投資や販売促進費用に使うことができます。
また、施設という「場」による支援としては、マスコミ等や業界からの注目度の向上、信用度の向上、新規客紹介等のチャンスを増やす、入居者同士の交流によりお互いに刺激を与えあうことなどがあります。
これらの「ソフト」「ハード」「場」としての支援を上手く活用してもらい、成長を加速してくれることを願っているのです。
もし今後創業支援施設に入居を申し込む機会があれば、「家賃が安いから入居したけれど、支援の必要が無い」「事業は既に安定している」という自立できている創業者は本来施設の対象者ではありません。
ほんとうに支援が必要かどうかで再検討してください。